がん診療について

化学療法センター

Chemotherapy center

はじめに

がんの治療は、がんの種類や進行度、患者さんの全身状態などによって手術、化学療法(がん薬物療法)、放射線治療、緩和治療などを組み合わせて行われます。これらの治療を高い水準で提供することが「がん診療連携拠点病院」の使命です。
化学療法(がん薬物療法)は飲み薬や注射によって全身に薬物(抗がん剤)を行き渡らせることにより、全身に広がる可能性のあるがん細胞や、すでに他の場所へ転移したがん細胞を治療するものです。近年従来の抗がん剤に加え、分子標的薬、ホルモン療法、免疫療法など新しい薬剤の開発が目まぐるしく、治療内容がますます高度に専門化してきています。当院は、2019年に腫瘍内科を開設し、多職種チームから構成される新しい「化学療法センター」に生まれ変わりました。「がん薬物療法専門医」を中心に定期的にミーテイングを開催し、患者さんの病状にあった、安全で質の高いがん薬物療法を提供できるよう努めています。

長谷川順一

化学療法センター長 長谷川順一

化学療法センターの業務内容
  • 化学療法マニュアルの策定・見直し
  • 治療レジメンの審査・管理
  • 化学療法の副作用対策の標準化
  • 重篤な有害事象(Serious Adverse Event;SAE)のモニタリング
  • 院内スタッフの教育・啓発活動
  • 外来化学療法室の運営管理 など
外来化学療法とは

以前は化学療法を行うには入院の必要がありましたが、新規抗がん剤の開発や副作用をやわらげる薬の改良により、治療効果の高いがん薬物療法を外来通院で安全に行えるようになりました。外来通院で治療を行うことは、仕事や家事など普段の社会生活とがん治療を両立できるという点で大きな意義があります。そのため、外来での化学療法は益々増えていくことが予想されます。

外来化学療法室の概要

当院は2005年8月に外来化学療法室を開設し、当初は8床でスタートしました。2010年6月に中2階南病棟を改装し、リクライニングチェアー18床+ベッド3床の合計21床からなる新しい外来化学療法室をオープンしました。当院の外来化学療法室は、【外来化学療法加算1】の診療報酬施設基準を満たし、2018年度8600件で月平均700件以上の利用件数があます。その50%は外科領域の悪性腫瘍(大腸がん、乳がん、胃がんなど)で、次いで整形外科領域の慢性関節リウマチ、消化器内科、泌尿器科、婦人科などの領域における悪性腫瘍や免疫疾患を対象としております。がん薬物療法を専門とする腫瘍内科医や専任薬剤師、看護師等のチームで最善で質の高い治療を安全・確実に行い、患者さんの治療をサポートいたします。また、必要に応じて、口腔外科医が口腔内のトラブル予防や対応もおこなっています。

疾患別治療実績
利用診療科

外来化学療法室の設備

リクライニングチェア18床、ベッド3床で運用しています。室内では治療中に患者さんの様子が見渡せるように安全性に配慮しつつ、カーテンによるプライバシーの確保や耳に心地良いBGMや個人用テレビモニターの設置などアメニティも充実させることで患者さんが快適に治療を受けることができる環境を提供しています。

化学療法室
外来化学療法の治療当日の流れ
来院
  • 再診機で受付(1F)
  • 血液検査・尿検査(1F)
  • 薬剤師や看護師による問診
来院
診察
  • 担当医の診察(化学療法外来)
  • 検査結果、体調などにより治療可否の決定
  • 薬剤部へ調剤指示
診察
化学療法
  • 外来化学療法室(2F)で受付
  • 看護師による静脈ルート確保。席に案内
  • 点滴開始・モニタリング
化学療法
化学療法
化学療法
指導
  • 専任の薬剤師による薬剤指導
  • 副作用、外来治療における生活指導(看護師)
  • 治療終了後、会計へ
指導
指導
外来化学療法室におけるチーム体制
医師

診察室にて個々の患者さんの治療計画に基づいた化学療法の実施決定や副作用への対応を行います。また点滴治療中の患者さんの状態を確認しながら安全管理を行っています。

薬剤師

治療開始前には抗がん剤の種類、投与量、投与間隔、検査値などの確認をしています。
治療当日には、医師に指示のもと、無菌的に安全キャビネット内で監査システムを使い、安全に抗がん剤の調整を行っています。
また、治療開始前や治療の変更の際には、抗がん剤の種類、投与のスケジュール、副作用などについて説明し、治療中には副作用の確認や内服薬の確認を行い、必要に応じて副作用の軽減のため、医師にお薬の提案を行っています。そのほか、患者さんからのお薬に関する相談にも応じています。

看護師

治療が安全に実施されるよう、患者さんの体調や気持ちのつらさを問診で確認しています。また、医師や薬剤師と連携を図り、副作用のセルフケア支援を行っています。他にも、実施中の点滴管理や全身状態の観察も行っています。副作用の確認や自己管理の指導を行なうことにより患者さんの治療に対する不安の軽減にも努めています。

チーム体制