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外科・消化器外科

Surgery

GIST

■GIST(消化管間質腫瘍)とは

GISTは、消化管間質腫瘍を示す英語Gastrointestinal Stromal Tumorの略称で、消化管の壁にできる悪性腫瘍の一種(肉腫)です。粘膜の下に腫瘤を形成し、粘膜から発生する胃がんや大腸がんとは異なる性質を示します。
新たに診断される患者さんの人数が10万人あたり1人と少ない悪性腫瘍で、発生部位は、胃(約40%~60%)や小腸(約30%~40%)が多く、大腸(約5%)、食道はまれです。
参考文献:日本臨床腫瘍学会 編.新臨床腫瘍学 改訂第5版.2018,南江堂

■症状

多くの場合、早期では無症状です。腫瘍が大きくなると、腫瘍からの出血による下血、貧血などの症状があらわれることがあります。
しかしながら、GIST(消化管間質腫瘍)の特徴的な症状ではないため、早期発見が難しい病気です。

■診断について

CTやMRI、内視鏡などによる画像診断で大きさや転移・浸潤などを確認します。また、細胞を採取して検査し、免疫組織染色でc-kit(CD117)やCD34, DOG1などのタンパクが発現していること確認することによりGISTと診断されます

■治療について

GISTあるいはGISTが強く疑われる腫瘍に対しては原則的に手術治療を行います。組織採取が難しい小さい腫瘍、無症状の場合は経過観察の方針となることもありますが、GISTと診断された場合は、現在の日本のガイドラインでは腫瘍の大きさなどに関わらず、手術による治療が勧められています。GISTが見つかった時点で主病巣以外の場所にも転移を起こしているような場合は、内科的治療(化学療法)の適応となります。化学療法の効果、経過によっては、改めて外科的切除を考慮することもあります。このような進行したGISTに対する集学的治療は未だ確立した治療とはいえず、外科・消化器内科・腫瘍内科・放射線科などにて連携し治療にあたることになります。

■手術治療について

GISTは胃がんや大腸がんと比べ周囲の組織に及ぶこと(浸潤傾向)が少なく、リンパ節転移も非常にまれとされていますので、多くの場合は腫瘍の切除において切除臓器の機能温存を考慮した部分切除が行われます。さらに大きさが5センチメートル以下の胃や小腸のGISTであれば発生場所や発育形式を考慮して、腹腔鏡下手術を行うことがあります。
手術後摘出標本にて、病理組織検査による再発しやすさの判定を行います。肉眼的完全切除が行われたあとも、高リスクと判定された場合は、再発予防目的にイマチニブ治療を行います。状況に応じて中間リスクの方にも再発予防目的に治療を行う場合もあります。

■内科的治療

現状の内科的治療では、イマチニブやスニチニブ、レゴラフェニブなど分子標的治療薬を使用します。しかしながら、内科的治療では再発や転移したGISTを完全に治すこと(根治)は難しく、効果がある薬剤を、副作用をうまくコントロールしながらできるだけ休まず内服し、可能な限り長く効かせて治療を継続することが重要になります。