診療科・部門

診療情報室

Medical information

部門について
主な業務内容
統計・業績

統計・業績

疾病統計(2023年度)

ICD-10(大分類)退院患者別比率

※ICD-10…WHO(世界保健機構)が作成している国際的な疾病分類

診療記録開示実績(2019年度~2023年度)

診療記録開示実績(2019年度~2023年度)

退院時サマリー2週間記載率(2019年度~2023年度)

退院時サマリー2週間記載率(2019年度~2023年度)

院内がん登録統計
がん登録とは

日本でがんと診断されたすべての人のデータを1つにまとめて集計・分析することによって、がん医療の向上やがん予防、がん検診を進めることができます。この中心的な役割を果たすのが「がん登録」です。
がんの罹患、診療等の状況の把握および分析・調査研究を推進し、がんの予防についての情報提供の充実を図ることを目的として、2016年1月に「がん登録等の推進に関する法律」が施行されました。
全都道府県をカバーする「全国がん登録」と病院単位で集計を行う「院内がん登録」が並行して日本のがん情報を作ります。
当院では、法律で定められた「全国がん登録」と共に、地域がん診療連携拠点病院の指定要件の1つとして「院内がん登録」を行っています。

全国がん登録

「全国がん登録」とは、日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で1つにまとめて集計・分析・管理する仕組みです。全ての病院や都道府県より指定された診療所は届出をする義務があります。
集計項目は、がんの種類や進行度、発見経緯など26項目です。全国がん登録の分析によって得られた情報は、がん検診や治療の体制づくり、がん研究などに役立てられます。

全国がん登録

※国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より出典

院内がん登録

「院内がん登録」とは、病院においてがん医療の状況を的確に把握するため、当該病院におけるがん患者について「全国がん登録」情報よりも詳細な治療の状況を含む情報を収集する仕組みです。
集計項目は、全国がん登録の項目より詳細となり、治療の状況などを含む約100項目です。
当院は地域がん診療連携拠点病院として、がんの罹患・治療内容や結果・予後等を把握し、分析や他院との比較を行うことで、がん診療の質の向上と、患者さんの支援に役立てています。

  • 登録データは、個人情報が特定できない形で匿名化したデータを国立がん研究センターへ提出しています。
  • 予後調査のため、地方自治体へ住民票照会をすることがあります。
  • 院内がん登録データに関する二次利用について同意しがたい場合は、当院「がんセンター」窓口までお申し出ください。(オプトアウトについて(PDF:209KB)
がん登録届出状況(2018年~2023年診断症例)
部位 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
頭頚部 103 140 119 99 122 102
甲状腺 32 26 26 29 30 32
食道 51 58 57 51 67 60
220 200 204 187 218 222
大腸 300 336 315 331 354 337
肝・肝内胆管 100 103 111 81 87 78
胆のう・肝外胆管 45 36 34 29 39 30
膵臓 59 80 62 66 96 97
17 18 35 51 92 103
乳房 214 234 203 216 218 257
皮膚 52 48 64 74 80 97
子宮頚 112 98 100 102 85 101
子宮体 39 40 37 41 41 47
卵巣・卵管・腹膜 24 23 24 25 19 27
前立腺 187 229 212 188 208 256
49 44 40 41 56 50
腎盂・尿管 23 24 20 30 35 25
膀胱 90 92 91 85 116 117
中枢神経系 22 15 32 18 47 56
リンパ腫・白血病 26 27 47 33 42 37
その他 66 47 53 63 61 82
総計 1831 1918 1886 1840 2113 2213

※登録対象は、入外問わず当該腫瘍について初診し診断や治療の対象となった症例。
※10件以下の部位はその他に集約。

呼吸器外科の常勤医が配置され、2020年より肺がんの症例が増加しています。
2022年には症例数が初めて2,000件を超えました。
COVID-19終息の影響もありますが新病院での診療を開始したことが主な要因と考えます。

がん登録届出状況(2016年~2021年診断症例)

がん登録届出状況(2016年~2021年診断症例)

部位別・ステージ別・進展度別新規がん登録数

部位別ステージ別 新規がん登録数(2023年診断症例)

部位 対象件数 Stage0 StageⅠ StageⅡ StageⅢ StageⅣ
頭頚部 99 7 28 22 10 32
甲状腺 32 20 7 1 4
食道 58 1 30 6 12 9
221 133 12 36 40
大腸 335 72 63 74 78 48
肝・肝内胆管 76 28 25 10 13
胆のう・肝外胆管 30 4 8 8 10
膵臓 95 24 8 15 48
98 39 8 31 20
乳房 256 20 96 96 36 8
皮膚 92 26 50 8 4 4
子宮頚 100 66 12 7 11 4
子宮体 44 39 2 3
卵巣・卵管・腹膜 26 12 3 7 4
前立腺 254 37 86 89 42
49 28 10 11
腎盂・尿管 25 4 4 2 10 5
膀胱 117 64 26 17 6 4
リンパ腫・白血病 30 19 6 5
その他 64 4 26 8 17 9

※術後ステージ優先
※病期分類対象外患者を除く。

部位別・ステージ別・進展度別新規がん登録数(2021年症例)

部位別進展度別 新規がん登録数(2023年診断症例)

部位 対象件数 上皮内 限局 領域リンパ節転移 隣接臓器浸潤 遠隔転移
頭頚部 100 7 46 11 34 2
甲状腺 32 15 9 5 3
食道 60 2 30 4 15 9
221 135 12 38 36
大腸 334 71 94 24 97 48
肝・肝内胆管 78 56 5 5 12
胆のう・肝外胆管 30 4 17 9
膵臓 96 25 4 19 48
99 41 10 19 29
乳房 257 20 147 63 16 11
皮膚 96 26 61 1 6 2
子宮頚 100 66 12 4 17 1
子宮体 46 41 3 2
卵巣・卵管・腹膜 27 7 16 4
前立腺 254 123 2 99 30
49 28 10 11
腎盂・尿管 25 4 6 14 1
膀胱 117 64 43 1 6 3
中枢神経系 53 49 4
リンパ腫・白血病 30 20 5 5
その他 69 4 35 6 12 12

※術後進展度優先
※病期分類対象外患者を除く。

部位別進展度別 新規がん登録数(2021年診断症例)

健康診断やがん検診を行っている部位(胃・大腸・乳房・肺・子宮頸など)は早く発見されることが多く、早期に治療をすることで根治する可能性が高くなります。
一方、膵臓がん、胆のう・胆管がんは症状が出にくく、発見された時には進行しているがんが多いので、健康診断や定期健診を受けることで早期発見につながります。

部位別・年代別新規がん登録数

部位別年代別 新規がん登録数(2023年診断症例)

部位 年齢 件数
~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~79 80~89 90~
頭頚部 1 5 9 22 32 30 3 102
甲状腺 2 5 5 3 3 8 6 32
食道 1 5 11 27 14 2 60
1 2 11 24 99 78 7 222
大腸 3 14 37 59 130 82 12 337
肝・肝内胆管 1 4 13 30 26 4 78
胆のう・肝外胆管 1 2 5 12 7 3 30
膵臓 1 3 5 16 34 34 4 97
1 11 25 36 27 3 103
乳房 3 39 53 53 69 31 9 257
皮膚 1 1 1 4 6 30 36 18 97
子宮頸 7 25 34 18 6 7 4 101
子宮体 2 5 14 11 8 6 1 47
卵巣・卵管・腹膜 1 1 2 8 7 4 4 27
前立腺 2 13 32 134 67 8 256
1 9 9 19 11 1 50
腎盂・尿管 3 6 15 1 25
膀胱 3 3 19 46 39 7 117
中枢神経系 1 3 2 8 12 11 16 3 56
リンパ腫・白血病 1 4 9 10 11 2 37
その他 4 2 8 17 5 26 15 5 82
総計 16 48 131 238 350 778 559 93 2213

多くのがんは70代以降に発症することが多いですが、婦人科系のがんや、乳がんなどは若くに発症する傾向にあります。
子宮がん検診は20歳以上、乳がん検診は40歳以上から行っていますので、定期的に受診するように心がけましょう。

部位別・がん初回治療別登録数(2023年診断症例)
部位 外科的治療 鏡視下治療 内視鏡的治療 放射線療法 薬物療法 その他の治療 総数
頭頚部 38 2 9 44 31 124
甲状腺 21 2 23
食道 1 17 19 7 20 64
14 74 85 5 47 225
大腸 13 222 77 6 90 408
肝・肝内胆管 7 10 1 19 28 65
胆のう・肝外胆管 8 4 12 24
膵臓 13 5 4 49 71
1 15 1 34 2 53
乳房 211 130 260 601
皮膚 89 3 1 93
子宮頚 57 11 20 13 1 102
子宮体 24 17 1 1 19 62
卵巣・卵管・腹膜 18 2 15 35
前立腺 1 132 2 23 107 265
4 33 1 9 47
腎盂・尿管 2 18 1 7 1 29
膀胱 11 110 5 114 240
中枢神経系 15 3 2 8 8 36
リンパ腫・白血病 1 1 1 3
その他 22 20 8 6 12 1 69
総計 560 597 315 298 838 31 2639

※初回治療とは、初回診断に引き続き行われた治療をさし、再発・再燃までに行われたものを指す。
※複数の治療を行った場合は重複して計上するため患者数と一致しない。
※転移部位に対する治療を含む。

当院では、手術、薬物療法、放射線療法など、より高い効果をめざし個々の病態に合わせ治療法を組み合わせて行う集学的治療を行っています。
手術では、最も身体に負担のかからない治療として、表在性食道がん、早期胃がん、早期大腸がんに対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を、進行がんに対しては手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」での鏡視下治療などを、積極的に行っています。
同時に、がん治療に欠かせない支持療法や緩和ケア、栄養サポートを行っています。

がんの発見経緯と発見時の進行度(全部位・2023年診断症例)
発見経緯 Stage0 StageⅠ StageⅡ StageⅢ StageⅣ 総数
がん検診・健診等 64 100 56 43 16 279
他疾患経過観察 103 293 148 134 68 746
その他(症状受診等) 96 303 183 198 231 1011
不明 1 22 16 18 8 65
総計 264 718 403 393 323 2101

※術後ステージ優先。※病期分類対象外患者を除く。

がん検診や健康診断、他疾患のフォローの時に発見されたがんは、早期の割合が高くなります。症状があり受診して発見されたがんは、進行したがんの割合が高くなります。がん検診、健康診断や定期的な通院は積極的に行いましょう。

希少がん登録数
≪希少がんとは≫

「希少(きしょう)がん」とは、『人口10万人あたり6例未満の「まれ」な「がん」、数が少ないがゆえに診療・受療上の課題が
他に比べて大きいがん種』の総称です。
200種類近い悪性腫瘍が希少がんに分類されます。

腫瘍別・がん初回治療別登録数(2018-2023年診断症例)

腫瘍分類 腫瘍名 登録数 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
発症部位が希少な腫瘍 口腔、口唇、唾液腺 239 41 55 47 41 55 41
咽頭、喉頭 299 55 74 64 49 57 53
鼻腔、中耳、副鼻腔 45 6 11 9 9 10 8
小腸 31 8 4 2 8 9 7
虫垂 8 1 5 1 1 10
肛門、肛門管 12 5 2 3 2 2
胸腺 4 1 1 2 3
胸膜 2 1 1 1
後腹膜 4 1 1 2 3
腹膜 7 1 1 2 3 6
乳房(男性のみ) 7 1 4 2 4
外陰部、膣 19 4 3 6 4 2 4
卵管 3 1 1 1 1
胎盤 1 1
陰茎 10 3 3 2 1 1 1
精巣腫瘍、傍精巣腫瘍 21 4 7 4 3 3 9
腎盂、尿管 132 23 24 20 30 35 25
尿道 2 1 1
眼および付属器の上皮性腫瘍 1 1
中枢神経系の腫瘍 105 20 10 26 11 38 47
副腎 2 1 1 1
副甲状腺 1 1
原発不明 26 6 3 7 3 7 12
組織型が希少な腫瘍 線様嚢胞がん 3 1 1 1
腹膜偽粘液腫・粘液腺癌 153 40 29 26 31 27 27
パラガングリオーマ 1 1
肉腫 25 8 6 4 4 3 7
消化管間質腫瘍(GIST) 56 11 7 8 17 13 12
悪性中皮腫 1 1
悪性リンパ腫 165 25 26 42 31 41 35
多発性骨髄腫 2 2 1
白血病 10 1 1 5 2 1 1
消化管神経内分泌腫瘍 66 15 10 11 13 17 12
肺神経内分泌腫瘍 1 1
皮膚の悪性黒色腫 8 2 1 1 3 1 2
合計 1472 283 287 297 270 335 335

腫瘍別・がん初回治療別登録数(2018-2023年診断症例)

腫瘍分類 部位 初回治療件数
外科的治療 鏡視下的治療 内視鏡的治療 放射線療法 化学療法 内分泌療法 その他の治療
発症部位が希少な腫瘍 口腔、口唇、唾液腺 192 39 42 1
咽頭、喉頭 59 4 36 172 107 1
鼻腔、中耳、副鼻腔 17 5 16 10
小腸 7 4 12 4
虫垂 2 9 8
肛門、肛門管 7 4 7
胸腺 3 2
後腹膜 3 1 1
腹膜 1 9
乳房(男性のみ) 8 1 6
外陰部、膣 6 1 3 6
卵管 3 1 4
陰茎 6
精巣腫瘍、傍精巣腫瘍 29 1 11 1
腎盂、尿管 6 115 4 7 55 1
尿道 1 1
中枢神経系の腫瘍 78 3 28 30
副腎 1 2 1
副甲状腺 1
原発不明 3 1 3 1 1
組織型が希少な腫瘍 線様嚢胞がん 3
腹膜偽粘液腫・粘液腺癌 79 69 1 24 68 46
パラガングリオーマ 1 1
肉腫 17 2 4
消化管間質腫瘍(GIST) 12 50 18
悪性中皮腫 1
悪性リンパ腫 16 5 1 3 4
白血病 2 1
消化管神経内分泌腫瘍 9 15 50 3 1
肺神経内分泌腫瘍 1
皮膚の悪性黒色腫 8 3
合計 571 288 114 301 394 55 10

※初回治療とは、初回診断に引き続き行われた治療をさし、再発・再燃までに行われたものを指す。

※複数の治療を行った場合は重複して計上するため患者数と一致しない。

※転移部位に対する治療を含む。

小児・AYA世代登録数
≪AYA世代とは≫

「AYA(アヤ)世代」とは、『Adolescent&Young
Adult(思春期・若年成人)』のことをいい15歳から39歳の
患者さんがあてはまります。
小児に好発するがんと成人に好発するがんが共に発症する可能性がある世代です。
年間約2万人のAYA世代の方が新たにがんの診断を受けるとされています。

年代別登録数(2018-2023年診断症例)

年齢 ~14歳 15~29歳 30~39歳 合計
登録数 5 88 297 390

診断年登録数(2018-2023年診断症例)

2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 合計
登録数 77 59 66 62 62 64 390

全年齢の症例数は男女差が少ないのに対し、小児・AYA世代は女性が8割以上を占めます。

女性生殖器(子宮がん、卵巣がんなど)が全体の6割で最多は全症例の半数を占める子宮頚癌です。

子宮頚癌の3分の2は上皮内癌と呼ばれる初期のがんになります。

消化器系腫瘍は大腸がんが最も多く約半数を占めます。