診療科・部門

診療情報室

Medical information

部門について
主な業務内容
統計・業績

統計・業績

疾病統計(2022年度)

ICD-10(大分類)退院患者別比率

※ICD-10…WHO(世界保健機構)が作成している国際的な疾病分類

診療記録開示実績(2018年度~2022年度)

診療記録開示実績(2017年度~2021年度)

退院時サマリー2週間記載率(2018年度~2022年度)

退院時サマリー2週間記載率(2017年度~2021年度)

院内がん登録統計
がん登録とは

日本でがんと診断されたすべての人のデータを1つにまとめて集計・分析することによって、がん医療の向上やがん予防、がん検診を進めることができます。この中心的な役割を果たすのが「がん登録」です。
がんの罹患、診療等の状況の把握および分析・調査研究を推進し、がんの予防についての情報提供の充実を図ることを目的として、2016年1月に「がん登録等の推進に関する法律」が施行されました。
全都道府県をカバーする「全国がん登録」と病院単位で集計を行う「院内がん登録」が並行して日本のがん情報を作ります。
当院では、法律で定められた「全国がん登録」と共に、地域がん診療連携拠点病院の指定要件の1つとして「院内がん登録」を行っています。

全国がん登録

「全国がん登録」とは、日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で1つにまとめて集計・分析・管理する仕組みです。全ての病院や都道府県より指定された診療所は届出をする義務があります。
集計項目は、がんの種類や進行度、発見経緯など26項目です。全国がん登録の分析によって得られた情報は、がん検診や治療の体制づくり、がん研究などに役立てられます。

全国がん登録

※国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より出典

院内がん登録

「院内がん登録」とは、病院においてがん医療の状況を的確に把握するため、当該病院におけるがん患者について「全国がん登録」情報よりも詳細な治療の状況を含む情報を収集する仕組みです。
集計項目は、全国がん登録の項目より詳細となり、治療の状況などを含む約100項目です。
当院は地域がん診療連携拠点病院として、がんの罹患・治療内容や結果・予後等を把握し、分析や他院との比較を行うことで、がん診療の質の向上と、患者さんの支援に役立てています。

  • 登録データは、個人情報が特定できない形で匿名化したデータを国立がん研究センターへ提出しています。
  • 予後調査のため、地方自治体へ住民票照会をすることがあります。
  • 院内がん登録データに関する二次利用について同意しがたい場合は、当院「がんセンター」窓口までお申し出ください。(オプトアウトについて(PDF:209KB)
がん登録届出状況(2017年~2022年診断症例)
部位 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
頭頚部 139 103 140 119 99 122
甲状腺 27 32 26 26 29 30
食道 64 51 58 57 51 67
238 220 200 204 187 218
大腸 292 300 336 315 331 354
肝・肝内胆管 97 100 103 111 81 87
胆のう・肝外胆管 35 45 36 34 29 39
膵臓 55 59 80 62 66 96
11 17 18 35 51 92
乳房 213 214 234 203 216 218
皮膚 49 52 48 64 74 80
子宮頚 107 112 98 100 102 85
子宮体 47 39 40 37 41 41
卵巣・卵管・腹膜 28 24 23 24 25 19
前立腺 219 187 229 212 188 208
36 49 44 40 41 56
腎盂・尿管 28 23 24 20 30 35
膀胱 98 90 92 91 85 116
中枢神経系 24 22 15 32 18 47
リンパ腫・白血病 42 26 27 47 33 42
その他 52 66 47 53 63 61
総計 1901 1831 1918 1886 1840 2113

※登録対象は、入外問わず当該腫瘍について初診し診断や治療の対象となった症例。
※10件以下の部位はその他に集約。

呼吸器外科の常勤医が配置され、2020年より肺がんの症例が増加しています。
2022年には症例数が初めて2,000件を超えました。
COVID-19終息の影響もありますが新病院での診療を開始したことが主な要因と考えます。

がん登録届出状況(2016年~2021年診断症例)

がん登録届出状況(2016年~2021年診断症例)

部位別・ステージ別・進展度別新規がん登録数

部位別ステージ別 新規がん登録数(2022年診断症例)

部位 対象件数 Stage0 StageⅠ StageⅡ StageⅢ StageⅣ
頭頚部 120 12 29 22 12 45
甲状腺 29 15 8 1 5
食道 62 1 28 11 14 8
217 131 12 31 43
大腸 349 97 55 64 77 56
肝・肝内胆管 81 47 19 10 5
胆のう・肝外胆管 37 5 10 9 13
膵臓 94 1 18 7 13 55
92 2 18 7 40 25
乳房 218 22 70 93 16 17
皮膚 79 30 38 5 3 3
子宮頚 84 56 15 2 8 3
子宮体 41 29 2 8 2
卵巣・卵管・腹膜 19 15 1 1 2
前立腺 208 54 59 59 36
56 39 3 5 9
腎盂・尿管 34 7 4 1 6 16
膀胱 113 53 34 14 8 4
リンパ腫・白血病 38 26 2 4 6
その他 53 5 27 6 6 9

※術後ステージ優先
※病期分類対象外患者を除く。

部位別・ステージ別・進展度別新規がん登録数(2021年症例)

部位別進展度別 新規がん登録数(2022年診断症例)

部位 対象件数 上皮内 限局 領域リンパ節転移 隣接臓器浸潤 遠隔転移
頭頚部 122 12 51 15 33 11
甲状腺 30 8 8 11 3
食道 66 1 30 7 19 9
217 125 22 27 43
大腸 349 97 78 35 83 56
肝・肝内胆管 84 71 1 6 6
胆のう・肝外胆管 38 4 21 13
膵臓 95 1 18 5 15 56
92 2 18 20 21 31
乳房 218 22 125 45 5 21
皮膚 80 30 44 1 4 1
子宮頚 84 56 15 2 8 3
子宮体 41 29 5 5 2
卵巣・卵管・腹膜 19 10 7 2
前立腺 208 114 3 65 26
56 42 5 9
腎盂・尿管 33 7 5 14 7
膀胱 114 53 49 2 6 4
中枢神経系 42 36 6
リンパ腫・白血病 39 26 2 11
その他 54 5 30 6 7 6

※術後進展度優先
※病期分類対象外患者を除く。

部位別進展度別 新規がん登録数(2021年診断症例)

健康診断やがん検診を行っている部位(胃・大腸・乳房・肺・子宮頸など)は早く発見されることが多く、早期に治療をすることで根治する可能性が高くなります。
一方、膵臓がん、胆のう・胆管がんは症状が出にくく、発見された時には進行しているがんが多いので、健康診断や定期健診を受けることで早期発見につながります。

部位別・年代別新規がん登録数

部位別年代別 新規がん登録数(2022年診断症例)

部位 年齢 件数
~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~79 80~89 90~
頭頚部 1 8 23 24 31 29 6 122
甲状腺 2 5 3 6 8 6 30
食道 3 11 14 26 13 67
4 10 33 100 64 7 218
大腸 3 10 29 44 150 106 12 354
肝・肝内胆管 1 3 1 13 31 37 1 87
胆のう・肝外胆管 6 14 17 2 39
膵臓 1 7 10 50 26 2 96
1 6 21 43 21 92
乳房 10 38 60 31 50 26 3 218
皮膚 2 2 2 12 21 31 10 80
子宮頸 7 21 27 13 8 5 4 85
子宮体 1 2 3 17 9 7 1 1 41
卵巣・卵管・腹膜 1 2 4 5 6 1 19
前立腺 1 16 34 104 50 3 208
1 6 3 11 24 10 1 56
腎盂・尿管 5 11 16 3 35
膀胱 1 14 20 43 33 5 116
中枢神経系 3 1 7 10 6 10 9 1 47
リンパ腫・白血病 1 1 2 4 9 12 10 3 42
その他 1 2 8 9 11 18 11 1 61
総計 15 47 131 242 332 764 521 61 2113

多くのがんは70代以降に発症することが多いですが、婦人科系のがんや、乳がんなどは若くに発症する傾向にあります。
子宮がん検診は20歳以上、乳がん検診は40歳以上から行っていますので、定期的に受診するように心がけましょう。

部位別・がん初回治療別登録数(2022年診断症例)
部位 外科的治療 鏡視下治療 内視鏡的治療 放射線療法 薬物療法 その他の治療 総数
頭頚部 43 1 14 38 25 121
甲状腺 26 1 27
食道 2 13 21 14 23 73
11 78 86 1 46 222
大腸 22 201 105 2 86 416
肝・肝内胆管 16 11 19 36 82
胆のう・肝外胆管 10 7 15 32
膵臓 21 1 5 51 78
3 16 37 3 59
乳房 166 92 207 465
皮膚 75 2 1 78
子宮頚 53 15 15 14 97
子宮体 18 19 1 21 59
卵巣・卵管・腹膜 15 3 8 26
前立腺 1 95 25 78 199
3 42 4 4 53
腎盂・尿管 1 20 1 1 12 35
膀胱 12 107 1 118 238
中枢神経系 16 6 2 2 26
リンパ腫・白血病 1 1 1 3
その他 12 18 13 3 11 1 58
総計 515 552 354 244 745 37 2447

※初回治療とは、初回診断に引き続き行われた治療をさし、再発・再燃までに行われたものを指す。
※複数の治療を行った場合は重複して計上するため患者数と一致しない。
※転移部位に対する治療を含む。

当院では、手術、薬物療法、放射線療法など、より高い効果をめざし個々の病態に合わせ治療法を組み合わせて行う集学的治療を行っています。
手術では、最も身体に負担のかからない治療として、表在性食道がん、早期胃がん、早期大腸がんに対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を、進行がんに対しては手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」での鏡視下治療などを、積極的に行っています。
同時に、がん治療に欠かせない支持療法や緩和ケア、栄養サポートを行っています。

がんの発見経緯と発見時の進行度(全部位・2022年診断症例)
発見経緯 Stage0 StageⅠ StageⅡ StageⅢ StageⅣ 総数
がん検診・健診等 65 107 51 31 15 269
他疾患経過観察 112 314 120 95 64 705
その他(症状受診等) 104 260 169 185 267 985
不明 5 16 8 20 16 65
総計 286 697 348 331 362 2024

※術後ステージ優先。※病期分類対象外患者を除く。

がん検診や健康診断、他疾患のフォローの時に発見されたがんは、早期の割合が高くなります。症状があり受診して発見されたがんは、進行したがんの割合が高くなります。がん検診、健康診断や定期的な通院は積極的に行いましょう。

5年生存率

≪生存率について≫
・2011~2015年に診断され、当院で初回治療を開始した症例を対象にしています。
・癌以外は集計対象から除外しています。(リンパ腫、GIST、カルチノイドなど)
・死因に関係なく、全ての死亡を計算に含めた生存率です。

(参考値)2013~2014年診断実測生存率(国立がん研究センター)

ステージ 全国 大阪
Ⅰ期 82 82
Ⅱ期 60 64
Ⅲ期 37 41
Ⅳ期 6 7

(参考値)2013~2014年診断実測生存率(国立がん研究センター)

ステージ 全国 大阪
Ⅰ期 83 84
Ⅱ期 76 75
Ⅲ期 68 69
Ⅳ期 17 15

(参考値)2013~2014年診断実測生存率(国立がん研究センター)

ステージ 全国 大阪
Ⅰ期 95 95
Ⅱ期 91 91
Ⅲ期 76 75
Ⅳ期 37 40

(参考値)2013~2014年診断実測生存率(国立がん研究センター)

ステージ 全国 大阪
Ⅰ期 60
Ⅱ期 48
Ⅲ期 27
Ⅳ期 8

※取扱規約